2026年1月27日
コラム
ヨガは回復力を育てるエクササイズ
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私たちは「運動=鍛えるもの」と考えがちです。心拍を上げ、筋肉に負荷をかけ、体力や筋力、持久力を伸ばす。多くの運動は、この方向に設計されています。
一般的な運動の反応
心拍数は自律神経系の移し鏡と言われ、心拍数が高い状態は交感神経、低い状態は副交感神経が優位に働いていると捉えられます。
下に示したのは、筆者のあるランニング時の心拍数の推移です。
運動開始と同時に心拍は一気に上がり、その後は比較的高い心拍数を保ったまま安定して推移しています。
この間、呼吸は速くなり、筋肉は緊張を保ち、交感神経が優位な状態が続いていると言えます。
この心拍の形は、出力を維持し、体力や持久力を高めるうえでとても合理的です。
一方で、グラフからもわかるように、心拍が下がる余地はほとんどなく、回復は運動後に委ねられている状態でもあります。(一時的に下がっている部分は信号🚥待ちなどでしょう)

ヨガも、心拍は上がる
次に、下にあるヨガ中の心拍数のグラフを見てみてください。
こちらはslow snow Wellnessの「デトックスヨガ」に参加いただいた方の心拍数を計測した際のグラフです。
ヨガでもランニングほどではないものの、心拍数を上げることはできます。後半にかけて、ポーズを保つ場面や、動きが連続する場面では、筋力や持久力が使われていることがグラフからも読み取れます。
つまりこのヨガクラスは、終始「楽な運動」ではなく、体力づくりの要素をきちんと含んだエクササイズとも読み取れます。

心拍が「上下している」ことの意味
ヨガの心拍グラフで特徴的なのは、上がった心拍が、何度も自然に下がっている点です。これはランニングの心拍数のグラフでは見ることができません。
動いて心拍が上がる
呼吸と姿勢によって心拍が下がる
また動く
この上下のリズムが、運動中に繰り返されています。
これは、交感神経が働いたあと、副交感神経に戻るプロセスが運動の最中に起きている状態を示しています。
ヨガでは、鍛えることと同時に、回復に向かう方向へ体を導いていることが、この心拍の動きからもわかります。
ただし、すべてのヨガが同じではない
ここで大切なのは、すべてのヨガがこの心拍の動きを生むわけではない、という点です。
ポーズをただ並べるだけでは、心拍は上がり続けたり、逆にほとんど変化しないこともあります。
心拍が「上がって、下がる」ためには、
ポーズの順序(シークエンス)を、自律神経の反応を踏まえて設計されている必要があります。
回復につながるヨガとは、やさしいかどうか、きついかどうかではなく、心拍と呼吸の流れが考えられているかどうかで決まります。
回復力は「下げられる体」に宿る
自律神経で大切なのは、どちらか一方が強いことではありません。
心拍を上げられること
そして、きちんと下げられること
この両方ができる体ほど、疲労は残りにくく、回復は深まります。
ランニングの心拍グラフが「上げ続ける力」を示しているとすれば、
ヨガの心拍グラフは「上げたあとに戻る力」を可視化しているとも言えます。
整えることが、次の動きを支える
体を高める運動と、体を戻す運動。
どちらが正しい、ではなく、どちらも必要な役割を持っています。
ヨガは、心拍を上げ、体力や筋力を育てながら、同時に回復できる状態へと体を戻していくエクササイズ。
「回復力を育てるエクササイズ」です。
こんな感覚があるなら、ヨガが合うかもしれな い
しっかり休んでいるはずなのに、なぜか体がスッキリしない。
睡眠時間は確保できているのに、朝起きたときに疲れが残っている。何もしていない日でも、体が重い。
こうした状態は、「休めていない」のではなく、回復のスイッチが入りきっていない可能性があります。
体は止まっているけれど、呼吸は浅く、緊張が抜けきらないまま。
そんなとき、ヨガは一つの選択肢になります。
ヨガは、体を動かしながら、呼吸を深め、心拍を下げていく時間をつくる運動です。
がんばるためにやるのではなく、戻る力を思い出すためにやる。
「休んでいるのに回復しない」そんな感覚がある人ほど、ヨガの効果を実感しやすいかもしれません。




